中東・シリア。2011年3月から「アラブの春」の影響を受けた民主化運動が始まり、瞬く間に内戦状態に。5年が経過しようとしている今では、様々な勢力が複雑に絡み合い、泥沼化している。ドキュメンタリー映画『それでも僕は帰る~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~』は、2011年8月~2013年4月にかけて、政府側・反政府側の激しい攻防が繰り広げられた街・ホムスに生きる反政府側の若者たちを追った映画である。日本のマスメディアではほとんど報じられることのない、戦いの前線を映し出した本作を観ながら、シリアについて、あるいはより普遍的に戦争・紛争の”裏側”について考えていきます。上映後のトークには、ノンフィクションライターの木村元彦さんと、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんによるトークもあります。ぜひご来場ください。
*映画概要
2011年に始まった「アラブの春」と呼ばれる民主化運動の波。その影響を受け、シリアでも2人の青年が立ち上がった。サッカーのユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していた当時19歳の青年バセットは、そのカリスマ性から若者を惹きつけ、平和を訴えるシンガーとして民主化運動のリーダーになっていく。彼の友人で、有名な市民カメラマンである24歳のオサマは、デモの様子を撮影し、インターネットで公開することで、民主化運動を広げようとする。バセットは歌で、オサマは映像で、それぞれ非暴力の抵抗運動を先導していたものの、2012年2月、政府軍の容赦ない攻撃によってホムスで170人もの市民が殺害されたのを機に、バセットと仲間たちは武器を持って戦い始める。彼らはなぜ戦い続けるのか、生きることとは、戦争とは、ふるさととは…。シリアの民主化運動の中で生きている人々の“リアル”が映し出されている作品。
Date:January 31, 2016
Place:VACANT
Guest:木村元彦 (ノンフィクションライター) / 安田菜津紀 (フォトジャーナリスト)
Organize:SHUKYU Magazine / ユナイテッドピープル