「ホンマタカシ ニュードキュメンタリー 映画特集上映」プレイベント
Movie
Photography
2016

写真家ホンマタカシ氏の4作品からなるドキュメンタリー映像作品の特集上映が、12月10日より渋谷シアター・イメージフォーラムにて限定上映となる。2004年に公開された写真家・中平卓馬の日常を綴ったドキュメンタリー『きわめてよいふうけい』以降も、写真家として活動しながら、平行して映像制作を続けてきた。イメージフォーラムの上映では、これまで美術館やギャラリーなどでインスタレーションとして発表されてきた作品を劇場用に再編集、『ニュードキュメンタリー』と題し、新作も上映となる。本イベントは、4作品の作品紹介とともに、美術評論家の椹木野衣さんと写真、映像、ヴィデオアートの中間領域の可能性について深く探っていく。当日は、映画内の楽曲を提供したダスティン・ウォングさんによるミニLIVEも。

New Documentary ーホンマタカシより

ここで僕がニュードキュメンタリーと言っている、いくつかの映像は、いわゆるメッセージのはっきりしたドキュメンタリーではありません。ましてや物語のある映画とは全く異なります。

「映像の自生性」というものについてダイ・ヴォーンという人がエッセイを書いています。彼が言うには、映画創成期リュミエールの短い映像の中には、物語性と、もうひとつ、撮り手の思いを超えてカメラが写し撮ってしまった映像の自生性があり、それはまたもうひとつの映像の可能性だと書かれています。(そしてその実現不可能性にも)僕はその映像の自生性を信じています。例えば固定カメラが偶然写してしまったもの、作者の思い通りにいかず、自然現象に人間が不可抗力的に飲み込まれてしまうといった状況に惹かれるのです。それは今までやってきた写真でも同じことだと思います。僕はその可能性を写真と映画の間の何処かに見い出したいと思っています。

Date:November 23, 2016
Place:VACANT
Guest:ホンマタカシ (写真家) / 椹木野衣(美術評論家)/ダスティン・ウォング(ミュージシャン)
Organize:メジロフィルムズ
Production:Takashi Ogami