「津波、写真、それから」刊行記念イベント
2011年12月2日「写真家は東北で何を見たのか?」というイベントがありました。内容は、震災後、桜の開花に導かれて東京から福島へと旅して撮影された新作「すべては初めて起こる」を発表する大森、5年に渡って東北の深層を丹念にリサーチし、人々の暮らしや儀式を撮影した写真集「東北」(リトルモア)を上梓した田附、宮城・山元町で津波によって持ち主の分からなくなった写真を洗浄、データ化することで返却していくプロジェクトに関わっている高橋、3人の写真家それぞれが東北の地で体験したことを語り合います。というものでした。
その後、それぞれに活動しながら、東北との関わりをそれぞれに続けてきました。ぼくの場合は国内や海外で展示を続け、写真というものの持つ意味を改めて知ってきた二年間でした。そして今、これまでの経験をまとめた本を作っています。これからも自然災害はどこかで起こり続けるだろうという中で、ぼくらの経験を残しておくことで災害時に誰にでもできる関わりあい方の一つを伝えるものだと考えています。
この本を刊行するにあたって、もう一度二人の先輩写真家と共に話してみたいと思い、お二人に協力をお願いしたのがこのイベントのきっかけです。
写真というもの、写真家という存在について話をしたいと思います。
高橋宗正